結合回路(読み)けつごうかいろ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「結合回路」の意味・わかりやすい解説

結合回路
けつごうかいろ

二つ以上の電子回路を電気信号的に結合する回路。誘導結合、静電結合、直接結合、インピーダンス結合などがある。誘導結合はトランス結合ともいわれる。一次回路と二次回路のコイル間の電磁誘導の結合を利用するもので、変成器などのように比較的周波数の低いことを必要とする回路に用いられる。静電結合はラジオなどで増幅器を結合するときに用いられ、直流は通さずに高周波を通す結合コンデンサーを利用している。直接結合は、誘導結合や静電結合では避けることのできない信号のひずみを避けるために、回路に必要な直流回路をも分離せずに直接に接続するもので、周波数特性は向上するが、設計は複雑となり、あまり多数の回路を結合することはできない。インピーダンス結合は、結合部分がこれらを複雑に組み合わせたもので、周波数によって利得変動が大きく、帯域幅が狭いので、特殊な用途に用いられる。

[岩田倫典]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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