利得(読み)リトク

デジタル大辞泉 「利得」の意味・読み・例文・類語

り‐とく【利得/利徳】

利益を得ること。また、その利益。もうけ。「―を追求する」「―を上げる」
(利得)トランジスターなどの増幅器で、入力に対する出力の比。→ゲイン2
[類語](1両得利益儲け収益利潤利沢黒字得分実益益金利金純利純益差益利鞘マージンゲインプロフィット

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精選版 日本国語大辞典 「利得」の意味・読み・例文・類語

り‐とく【利得・利徳】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 利益として得ること。また、その利益や、とくであるさま。もうけ。得分。〔文明本節用集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「こちから利とくな事を云ふは、〈略〉いやしい者ぢゃと云て棄さけられうぞ」(出典:史記抄(1477)一一)
    2. 「此男、商売に取付て此かた、一銭も損をしたる例なく、年々に利得(リトク)を求めたれ共」(出典浮世草子日本永代蔵(1688)五)

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改訂新版 世界大百科事典 「利得」の意味・わかりやすい解説

利得 (りとく)
gain

増幅率(増幅度)あるいはゲインともいう。増幅器での入力と出力の比。量として電圧電流電力のいずれかをとり,それぞれ電圧利得電流利得電力利得という。利得の単位は単に何倍ということもあるが,デシベルdB)を使うことが多い。電力利得では入力電力をP1,出力電力をP2とすると電力利得Gp=10log10P2/P1)で表される。抵抗Rに電流Iまたは電圧Vを加えたときの電力PPI2RまたはV2/Rとなる。したがって,電圧および電流利得では,入出力の電圧(電流)をV1V2I1I2)とすれば,利得GG=20log10V2/V1)または(I2/I1)で表される。たとえば,10倍および100倍の電圧利得はそれぞれ20および40dBとなる。縦続型の増幅器では各段の利得をデシベルで表しておけば,全体の利得はそれぞれの利得の和で表されるので便利である。利得の逆数減衰量と呼び,フィルターなどでは減衰量で表すことが多い。
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普及版 字通 「利得」の読み・字形・画数・意味

【利得】りとく

利益。

字通「利」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の利得の言及

【決定理論】より

…そして,どの行動をとったときにどの状態になったら,どれだけの利益が上がるか,あるいはどの程度好ましいかを,金額なり点数なりで評価する。この評価値のことを〈利得〉とよぶ。たとえば,1等1万円,2等1000円,3等100円が当たる宝くじのある番号の1枚が100円で友人から買えるとする。…

【ゲーム理論】より

…そのときゲームの出発点におけるプレーヤーの状態もまたプレーヤーのとりうる行動を規制する。(4)利得と利得関数 各プレーヤーが何らかの戦略をとってゲームは終了し,ある結果が定まる。この結果について,各プレーヤーは何らかの評価をもち,各プレーヤーにとっての評価値が定まる。…

【アンテナ】より

…これが受信アンテナの原理である。 このようなアンテナの特性を表示するもっとも基本的な定数は利得gainである。これをまず送信アンテナについて説明すると,特定方向への放射電力が同じ電力を供給した基準アンテナの場合と比較して何倍になるかを表した値をアンテナの電力利得,あるいは単に利得という。…

【アンテナ】より

…かりに,送信アンテナの代りに送信機の出力端子に白熱電球を接続した場合を考えると,電流が流れて点灯はするが,一般には不整合その他のため全出力を電球に流入させることは困難である。
[原理,利得,指向特性]
 アンテナに高周波電流を流すと,それによる磁界が生ずると同時に,電流に伴う電荷分布によって電界が生ずる。この電流,電荷は使用周波数によって振動的に変化するので,生じた電界,磁界もまた振動的に変化する。…

※「利得」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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