継埼牧(読み)つぎさきのまき

日本歴史地名大系 「継埼牧」の解説

継埼牧
つぎさきのまき

古代の壱岐島にあった牧。元慶七年(八八三)観世音かんぜおん(現福岡県太宰府市)の所領となっていたらしく、仁平三年(一一五三)四月二九日の東大寺領諸庄園文書目録(守屋孝蔵氏所蔵文書)に「一巻十一枚 元慶七年壱岐公験」と記されている。「延喜式」兵部省諸国馬牛牧条に壱岐の記載がなく、また公験とあることから観世音寺領となる以前にも私領であった可能性がある。保安元年(一一二〇)六月二八日の観世音寺公験等注進状(筒井寛秀氏所蔵文書)に「壱岐島継埼牧文書一通 員拾壱枚」とみえ、島内に牧が営まれていたことが知られる。この注進状は観世音寺が奈良東大寺末寺になったことに伴うもの。保元元年(一一五六)の庄園整理令に伴い、同三年に東大寺政所は壱岐島継崎の文書を含む観世音寺の文書案文を写して記録庄園券契所に進上している(同年六月一五日「観世音寺文書記録進上目録土代」東大寺文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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