石田町(読み)いしだちよう

日本歴史地名大系 「石田町」の解説

石田町
いしだちよう

面積:一六・四八平方キロ

壱岐島の南東部に位置し、東部から南部にかけては壱岐水道に面する。北は芦辺あしべ町、西はごううら町に接する。池田いけだ川・もと川が流れる。南に開く印通寺いんどうじ浦の沖につまヶ島(面積〇・三二平方キロ)があり、その北東銭亀ぜにがめ崎、東部に筒城つつき浜・筒城崎などがある。国道三八二号、県道壱岐空港線、主要地方道勝本かつもと―石田線が通り、印通寺港からは佐賀県呼子よぶこ港と結ぶフェリーが出ている。南東部にある壱岐空港からは長崎・福岡への定期便が運航されている。

芦辺町にまたがる原の辻はるのつじ遺跡では弥生時代中期の竪穴住居跡甕棺・石棺が検出され、農耕を主体としながら漁労を盛んに行っていたことを示す鉄製の銛・釣針や、鯨骨製の鮑起しなどが出土している。律令制下では石田郡に属し、「和名抄」に記される石田郷が当町域に比定されるが、郷内の印通寺浦に「延喜式」にみえる優通ゆうず駅が置かれたものと考えられる。天平八年(七三六)新羅使の随行員であった雪連宅満が急逝、その墓と伝える塚が池田東触いけだひがしふれにある。一方で防人が配され、烽火が置かれる海防の地でもあり、筒城や久喜くきなどには烽台があったという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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