精選版 日本国語大辞典 「綾取」の意味・読み・例文・類語
あや‐とり【綾取】
- 〘 名詞 〙
- ① 遊戯の一種。輪にした糸を両手首や指先にかけて、橋、琴、鼓、川などの形を作りながら互いにやりとりする女児の遊戯。糸取り。あや。
- 綾取り①〈守貞漫稿〉
- [初出の実例]「女等があやとり習ふ唐にしき〈東烏〉 すずしきばかり薄けはひして〈松人〉」(出典:俳諧・廿日月(1801))
- ② ( 「あやどり」とも ) 近世、竹に綱をつけ、まりなどを投げ上げては受け止める曲芸。また、その芸人。
- ③ 舞楽で足を斜めに打ち違えるようにすること。
- ④ =あやとりのし(挑文師)
綾取の語誌
①について「浮・好色一代男‐一」には「糸取(いととり)」とあり、「随・守貞漫稿‐一〇」に「江戸にてあやとり、京坂にては糸取」とあるところから、東西で異なる語形を用いていたようである。