緊急通貨(読み)きんきゅうつうか(その他表記)urgent money

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「緊急通貨」の意味・わかりやすい解説

緊急通貨
きんきゅうつうか
urgent money

戦争,内乱恐慌,金銀価変動などに際して,金・銀貨の国外流出や退蔵などにより流通貨幣量が著しく欠乏した場合,その不足を補う目的で一時的に発行される代用貨幣。一定の限られた地域,限られた期間流通したのち正規の通貨との兌換が約束されている。 18世紀末のフランス,19世紀の銀貨不足に伴うヨーロッパ各地での紙幣発行,第1次世界大戦中および戦後のドイツの緊急貨幣 Notgeld,第1次世界大戦勃発直後の 1914年に金輸出の条件付き禁止による金本位制度の実質的停止に伴って発行されたイギリスのカレンシー・ノート currency note (1928年イングランド銀行券に併合) ,17年以降の日本の小額紙幣 (補助銀貨の代用,21年打切り) などが代表的事例である。また中央政府以外に地方自治体や民間諸団体,個人が発行した例もある。

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百科事典マイペディア 「緊急通貨」の意味・わかりやすい解説

緊急通貨【きんきゅうつうか】

恐慌時や戦争時など緊急な事態のため通貨が不足した際に応急手段として発行される通貨。緊急貨幣とも。第1次大戦後ドイツの大インフレに当たって発行されたものが典型で,このときは法貨以外に,民間団体までが小額の私的貨幣を発行した。

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