総官・惣官(読み)そうかん

精選版 日本国語大辞典 「総官・惣官」の意味・読み・例文・類語

そう‐かん ‥クヮン【総官・惣官】

〘名〙
① 全体を管理統轄する職。また、そのような立場、人。
吾妻鏡‐文治二年(1186)四月二四日「予者東海道惣官也」
② 令制で太政官をいう。これに対し、管轄下の八省・諸国等を被管という。
※延喜式(927)一一「凡被管諸司解由。及不与解由状、惣官押署進之」
③ 伊勢大神宮や春日社の神官の長。→祭主②。
新抄格勅符抄‐延喜二〇年(920)九月一三日・太政官符「伊勢大神封戸調施三百疋庸米三百斛〈已上並当国 前惣官神祇伯大中臣朝臣等家比年政納神祇官〉」
④ 荘官の長として荘園の管理にあたる職の称の一つ。また、その人。
※玉葉‐治承五年(1181)二月八日「以前越中守平朝臣盛俊、宜丹波国諸庄薗総官下司
近世、農村業務を取り扱った官。〔農業全書(1697)〕

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