緩び(読み)ユルビ

デジタル大辞泉 「緩び」の意味・読み・例文・類語

ゆるび【緩び】

ゆるむこと。ゆるやかになること。ゆるみ。
「―なき御仲らひかな」〈野分

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「緩び」の意味・読み・例文・類語

ゆるび【緩・弛】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「ゆるぶ(緩)」の連用形の名詞化。古くは「ゆるひ」 )
  2. ゆるくなること。締めつけが弱まること。ゆるゆるになること。
    1. [初出の実例]「引き結へる葛目(つなめ)の緩(ユルヒ)、取り葺ける草の噪(そそ)きなく」(出典延喜式(927)祝詞(九条家本訓))
  3. 人と人との結びつきが緊密でなくなること。
    1. [初出の実例]「かやうにきこえたはぶれ給ふことのはのおもむきにゆるひなき御なからひかなとききゐたまへり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)野分)
  4. 心のやすまること。ゆったりとした気持になること。安心。
    1. [初出の実例]「心のうちは、ゆるひなく胸つぶれがましき折々おほかるに」(出典:浜松中納言物語(11C中)五)
  5. 気をゆるすこと。気のゆるむこと。油断
    1. [初出の実例]「殿上のそばより下りのぼらせ給ふ。心のゆるひなき道なり」(出典:栄花物語(1028‐92頃)根合)

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