緩らか(読み)ユルラカ

デジタル大辞泉 「緩らか」の意味・読み・例文・類語

ゆる‐らか【緩らか】

[形動ナリ]
ゆるいさま。締めつけ、張りがきつくないさま。ゆるるか。
「帯―にかけて参る後ろで」〈落窪・一〉
動きがゆっくりしているさま。ゆるやか。ゆるるか。
「いと―にうちじたるを」〈賢木
ゆったりと伸びたさま。豊かなさま。ゆるるか。
「髪のうちたたなはりて―なる程、長さ推し量られたるに」〈三六

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「緩らか」の意味・読み・例文・類語

ゆる‐らか【緩らか】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 「らか」は接尾語 )
  2. ゆるいさま。締め方や張り方がきつくないさま。また、規則禁制などのゆるいさま。ゆるるか。
    1. [初出の実例]「紺地の袴のくくりゆるらかによせさせ、袖をばむすびて、肩にかけ」(出典:曾我物語(南北朝頃)九)
  3. 急がないさま。急でないさま。ゆっくりしたさま。ゆとりのあるさま。のんびりしたさま。ゆるるか。
    1. [初出の実例]「白虹日をつらぬけり、太子おぢたり、といとゆるらかにうちずしたるを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)賢木)
  4. たっぷりとして豊かなさま。ゆるるか。
    1. [初出の実例]「髪のうちたたなはりてゆるらかなる程、ながさおしはかられたるに」(出典:枕草子(10C終)三六)
  5. 寛大なさま。おおらか。おうよう。ゆるるか。
    1. [初出の実例]「性(ひととなり)是寛(ユルラカ)に和かにまして、務矜(かなし)び宥(なだ)め存(ま)します」(出典日本書紀(720)欽明即位前(寛文版訓))

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