朝日日本歴史人物事典 「織田貞置」の解説
織田貞置
生年:元和3(1617)
江戸前期の武士,茶人。織田信長の孫,父は織田左京亮信貞。通称五郎左衛門。永年堂,黄雀軒,三過老人などと号した。寛文1(1661)年禁裏造営奉行を務め,同3年高家となり従五位下侍従,主計頭に叙任。禄1000石を給せらる。茶を織田有楽斎の甥織田長好に学び,有楽流の一派として貞置流を開いた。尾張徳川家2代光友,3代綱誠に茶を呈した。『茶道正伝集』に好みの茶室が記されるが,いずれも現存しない。門下に尾張家に仕えた織田貞幹,『懐蔵集』の著を残した坂田正輔,『咄覚集』『貞要集』などの著書で貞置門七人衆に数えられる松本見休などがいる。
(谷端昭夫)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報