織造(読み)しょくぞう(その他表記)zhi-zao; chih-tsao

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「織造」の意味・わかりやすい解説

織造
しょくぞう
zhi-zao; chih-tsao

中国,明・清時代に政府,宮廷で使用する織物を生産する官営工業。清代では織造局の長官をいう。明代では南京北京と地方に織染局がおかれ,織造太監 (宦官) がこれを監督した。清代になると明の制度を踏襲したが,北京,江寧,蘇州杭州に織造局を設け,内務府官僚のなかから任命される織造監督が監督した。織造では官僚の誥勅用の軸帛や宮廷使用の織物などを製造し,緞庫,緞匹庫,綵綢庫などに保管し,北京に送った。その他に内務府から臨時に調製が命じられることも少くなかった。生産は明代では匠籍にある工人の徭役労働によって行われたが,清朝中期から雇用労働となった。

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