置始菟(読み)おきそめのうさぎ

朝日日本歴史人物事典 「置始菟」の解説

置始菟

生年生没年不詳
7世紀の将軍壬申の乱(672)の際,大海人皇子(のちの天武天皇)方にあって戦った。その功績によって霊亀1(715)年田を与えられ,さらに天平宝字1(757)年,子,孫までその田を伝えることが認められた。壬申の乱当時は紀阿閇麻呂と共に兵数万で伊勢から大和に向かい,敗戦の色の濃かった大伴吹負の軍を救援した。また河内から大和へ進入した大友皇子(近江)方の壱伎韓国と当麻(奈良県当麻町)付近で戦いこれを破った。さらに大和国を南北に通る 上道,中道,下道に軍隊を分け,自らは上道を北上,近江方の軍を破った。

(鬼頭清明)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「置始菟」の解説

置始菟 おきそめの-うさぎ

?-? 飛鳥(あすか)時代の武人
壬申(じんしん)の乱(672)で大海人(おおあまの)皇子(のちの天武(てんむ)天皇)が美濃(みの)から大和に兵をさしむけたとき,千余騎をひきいて先鋒(せんぽう)となり,近江(おうみ)軍の壱伎韓国(いきの-からくに)を当麻(たぎま)でやぶる。ついで上道(かみつみち),中道でたたかい,犬養五十君(いぬかいの-いきみ)の軍を敗退させた。名は宇佐伎ともかく。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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