羅賀浦(読み)らがうら

日本歴史地名大系 「羅賀浦」の解説

羅賀浦
らがうら

[現在地名]田野畑村 羅賀

田野畑村の東南部にあって、北閉伊沿岸の数少ない漁業基地の一つ。永正五年(一五〇八)の糠部郡九箇部他馬焼印図(古今要覧稿)にみえる「らか」は当地のことか。寛永二一年(一六四四)浦番所が設置され、同年四月と一〇月に浦番改の役人が派遣されている(雑書)正保国絵図には羅賀崎のそばに舟遠見番所が描かれており、鱈・鰹の沖漁、鮑・わかめ・昆布の磯漁、鰯地引網、鮪・鮭立網の地先漁業、製塩等が行われた。とくに鮑の生産は多く、宝暦(一七五一―六四)の頃から島越しまのこし浦、小本おもと(現岩泉町)田老たろう村・乙部おとべ(現田老町)などとともに熨斗剪出御運上場所に指定され熨斗製造が盛んであった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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