美濃紙を二つ折りにした大きさの和書をいう。美濃紙は書院紙,直紙(じきし)ともいわれ,平安時代から和書の主要な料紙であったので,美濃本は和書の標準的な大きさとなっている。美濃紙にも大直,中直(上美濃ともいう)などいくつかの大きさがあるが,書院美濃ともいわれる小直は縦9寸2分,横1尺3寸7分(279mm×415mm)で,美濃本は,おおむねその半截判と考えてよい。美濃本と並んで多いのは〈半紙本〉であるが,これは大奉書紙(縦1尺3寸,横1尺7寸5分(394mm×530mm))を半截した半紙二つ折りの大きさで,美濃本よりひとまわり小さい。また,美濃本よりも大きい本は大本(おおほん)といい,美濃本の半分は中本(ちゆうほん),半紙本の半分およびそれ以下を小本(こほん)という。
→枡型本(ますがたぼん) →豆本
執筆者:竹上 深
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…江戸前期の仮名草子や西鶴本,あるいは江戸中期ころまでの漢詩文集,和歌和文集などは主としてこの形態をとる。美濃本とも。(2)美濃本より大きい形態のもの。…
…和紙による和装本の代表的な大きさには,美濃判,半紙判がある。美濃紙(書院紙ともいう)を用い,長辺を二つ折りにした大きさの本(300mm×210mm)を美濃判または美濃本という。半紙を用い,長辺を二つ折りにした大きさの本(250mm×170mm)を半紙判または半紙本という。…
※「美濃本」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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