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美濃紙 みのがみ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

美濃紙
みのがみ

和紙の一種。書院紙,直紙 (じきし) ,みのなどという。岐阜県 (美濃国) の旧武儀郡一帯から産出される紙。半紙より判が大きく,強く優良な紙質で有名。天平時代から江戸時代にいたる各時代の文献に,美濃紙のことがよく出てくる。

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デジタル大辞泉の解説

みの‐がみ【濃紙】

美濃(岐阜県)産の和紙の総称。奈良時代から優良品として知られ、書院紙森下紙天具帖(てんぐじょう)ほか種類も多い。特に書院紙は有名で、美濃紙の異称ともなった。直紙(じきし)。みのし。みの。
[補説]このうち本美濃紙は、平成26年(2014)「和紙 日本の手漉(てすき)和紙技術」の名称で、細川紙石州半紙とともにユネスコ無形文化遺産に登録された。

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百科事典マイペディアの解説

美濃紙【みのがみ】

書院紙とも。コウゾを原料とした,厚く,強靭(きょうじん)な手すき和紙。美濃国武儀(むぎ)郡ですき始められたという。現在はコウゾ繊維に化学パルプを配合した製品が多い。
→関連項目小川[町]書院紙障子紙美濃[市]

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世界大百科事典 第2版の解説

みのがみ【美濃紙】

岐阜県美濃市で漉(す)かれている和紙の総称。書院紙ともいう。古代において,美濃国は最も製紙の盛んな国であった。日本最古の紙は702年(大宝2)の美濃,筑前,豊前の戸籍用紙であるが,そのなかでも美濃の紙は純コウゾ皮を原料としたので,繊維が均等に絡みあって,漉きむらがなく優れている。古代の美濃紙は国府(不破郡垂井町)を中心として,揖斐(いび)川流域で漉かれたものと想像される。中世になって,美濃紙の技術はさらに向上し,各種の紙を漉き出すようになった。

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大辞林 第三版の解説

みのがみ【美濃紙】

こうぞで漉いた和紙。古く奈良時代から用いられた。美濃の武儀郡(現在の美濃市)から多く産出され、中世以降全国に普及。紙質は丈夫で厚く虫食いにも強く、文書の写し・書状の包み・障子紙などに用いる。書院紙。直紙じきし。みの。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

美濃紙
みのがみ

美濃国(岐阜県)を原産とする紙の総称。美濃はもっとも古くからの和紙の名産地で、702年(大宝2)の『正倉院文書』の戸籍用紙は、わが国で現存する最古の和紙であるが、そのなかでも美濃国(当時は御野国と書いた)の紙は、筑前(ちくぜん)国(福岡県)や豊前(ぶぜん)国(大分県)のものよりも紙質が優れており、製紙に関しては平安時代でも美濃国が他国をしのいでいたことを示す文献が多い。応仁(おうにん)の乱(1467~1477)後、美濃一帯を統治した土岐成頼(ときしげより)の施政により、中世以降この地方の一大産業としての地位を確保した。京都へ送られた美濃紙は、当時の五山の禅僧の詩文に多く表れてその名を知られ、大矢田(おおやた)(美濃市)は紙の集産地として栄えた。また和本の用紙にも使われて、美濃本あるいは美濃判の名が一般化した。美濃紙の名は、1603年(慶長8)刊の『日葡(にっぽ)辞書』にも採録されている。代表的な美濃紙としては、厚手の森下(もりした)、薄手の典具帖(てんぐじょう)があるが、これらは現在でも長良(ながら)川支流の板取(いたとり)川、および武儀(むぎ)川に沿った地方で漉(す)かれている。1877年(明治10)刊の尾崎富五郎編『諸国紙名録』には、美濃産紙として大書物紙、御定直(おんさだめなおし)紙、書院紙、薄書院、紋書院、天具帖、小菊(こぎく)紙、丈永(たけなが)、板張紙(いたばりし)、美濃半紙、半切(はんぎり)紙、雁皮(がんぴ)紙、薄用紙、中用紙、黄雁皮などの名をあげている。とくに書院紙は障子紙として有名で、1777年(安永6)刊の木村青竹(せいちく)編『新撰紙鑑(しんせんかみかがみ)』にすでに「凡(およ)そ障子紙の類は美濃を最上とす」との評価を受け、美濃紙を書院紙の別名のようにいうこともあった。
 現在、美濃市蕨(わらび)地区を中心として盛んに漉き出されているが、なかでも本来の純粋な手漉きによるものは本美濃紙と称され、1969年(昭和44)に本美濃紙保存会が結成され、国の重要無形文化財に総合指定された。[町田誠之]
 また2014年(平成26)には、島根県浜田市の「石州半紙(せきしゅうばんし)」(石見(いわみ)半紙)、埼玉県小川町、東秩父(ひがしちちぶ)村の「細川紙(ほそかわし)」とともに、「和紙―日本の手漉和紙技術」としてユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録された。[編集部]
『澤村守編『美濃紙――その歴史と展開』(1983・木耳社)』

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