出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報
唐本(とうほん)、朝鮮本、洋本(洋装本)に対する語。和紙を用い、わが国古来の装丁によってつくられた本で、和装本ともいう。主として冊子形の書物をさし、巻子(かんす)本や折(おり)本は含まないのが普通である。装丁法には、糊(のり)のみを用いた胡蝶(こちょう)装、糸でとじる綴葉(てっちょう)装、平紐(ひも)による大和綴(やまととじ)、書写面または印刷面を表にして袋状に二つに折り、糸でとじる袋綴などがある。和本には、縦に長い美濃(みの)本、大本(おおぼん)、半紙本、中(ちゅう)本、小(こ)本、横長の横本、三つ切(ぎり)本、四つ切本、四角形の枡形(ますがた)本、ごく小形の豆(まめ)本など、種々の大きさのものがあるが、特殊なものに平安時代の『扇面法華経(せんめんほけきょう)冊子』(国宝、大阪四天王寺蔵)のような扇形のものもある。
[金子和正]