出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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…中華趣味のまんえんによる中国俗語小説の日本化ともいうべきもので,上方では上田秋成などをその掉尾(とうび)とするが,その後これも江戸に移り,曲亭馬琴によって大成された。また読本の小説性と滑稽戯作の軽妙卑俗さとを兼ね合わせた試みが中本(ちゆうぼん)の世界で種々なされ,一つの型として定着したのが人情本であり,明治の写実小説へとつながる位置にある。以上はとくに俗文芸の立場での展望であるが,一方,江戸時代は漢詩文を中心とする伝統的雅文芸にリードされた時代でもある。…
…江戸後期の小説形態の一種。〈滑稽本〉とは明治以後の文学史用語で,江戸時代は人情本とともにその書型から〈中本(ちゆうほん)〉と呼ばれた。十返舎一九作《東海道中膝栗毛》(初編1802)以後明治初年までの滑稽諧謔を旨とする作品を指すが,文学史上は,中本の源流とみなしうる宝暦・明和(1751‐72)のころの,笑いを内包する教訓的作品をもふくめている。…
…半紙を用い,長辺を二つ折りにした大きさの本(250mm×170mm)を半紙判または半紙本という。また,美濃本より大きい形の本を大本(おおほん)といい,美濃本の半分の大きさの本を中本(ちゆうほん),半紙本の半分以下の大きさの本を小本(こほん)という。ほかに,枡(ます)のように正方形または正方形に近い形の枡形本がある。…
…美濃本と並んで多いのは〈半紙本〉であるが,これは大奉書紙(縦1尺3寸,横1尺7寸5分(394mm×530mm))を半截した半紙二つ折りの大きさで,美濃本よりひとまわり小さい。また,美濃本よりも大きい本は大本(おおほん)といい,美濃本の半分は中本(ちゆうほん),半紙本の半分およびそれ以下を小本(こほん)という。枡型本(ますがたぼん)豆本【竹上 深】。…
※「中本」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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