中本(読み)チュウボン

百科事典マイペディアの解説

中本【ちゅうほん】

江戸時代の書型の一種。美濃紙二つ折の大本(おおほん)と,半紙四つ折の小本(こほん)との中間,美濃紙四つ折で,半紙本よりやや小さい。転じてその書型から滑稽(こっけい)本人情本異称となった。

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世界大百科事典 第2版の解説

ちゅうほん【中本】

書誌学用語。〈ちゅうぼん〉とも読み,中形本,美濃半切本ともいう。美濃判を縦二つ,横二つに折った寸法の本。若干の差異があるが縦18cm,横13cm程度の寸法。半紙本小本(こほん)との中間の寸法。近世後期の絵入り小説たる草双紙類は多くこの形態をとるが,そのなかでもとくに滑稽本,人情本の異称ともなる。【宗政 五十緒】

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大辞林 第三版の解説

ちゅうぼん【中本】

〔「ちゅうほん」とも〕
和本の大きさの一。美濃判の半分、すなわち美濃紙四つ折りの大きさの本。半紙本と小本の中間の大きさ。中型本。
〔その判型から〕 滑稽本・人情本のこと。

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精選版 日本国語大辞典の解説

ちゅう‐ほん【中本】

〘名〙 (「ちゅうぼん」とも。大きさが読本(よみほん)などの半紙本と、洒落本などの小本との中間の大きさの本の意) 江戸時代、書籍の名称の一つ。美濃紙を四つ折りにした大きさの本。また、滑稽本・人情本などはこの大きさで刊行されたところから、滑稽本・人情本の異称としても用いられる。中本物。
※滑稽本・八笑人(1820‐49)四上「鯉丈が出した和合人といふ中本(チウホン)のやうに」

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世界大百科事典内の中本の言及

【江戸文学】より

…中華趣味のまんえんによる中国俗語小説の日本化ともいうべきもので,上方では上田秋成などをその掉尾(とうび)とするが,その後これも江戸に移り,曲亭馬琴によって大成された。また読本の小説性と滑稽戯作の軽妙卑俗さとを兼ね合わせた試みが中本(ちゆうぼん)の世界で種々なされ,一つの型として定着したのが人情本であり,明治の写実小説へとつながる位置にある。以上はとくに俗文芸の立場での展望であるが,一方,江戸時代は漢詩文を中心とする伝統的雅文芸にリードされた時代でもある。…

【滑稽本】より

…江戸後期の小説形態の一種。〈滑稽本〉とは明治以後の文学史用語で,江戸時代は人情本とともにその書型から〈中本(ちゆうほん)〉と呼ばれた。十返舎一九作《東海道中膝栗毛》(初編1802)以後明治初年までの滑稽諧謔を旨とする作品を指すが,文学史上は,中本の源流とみなしうる宝暦・明和(1751‐72)のころの,笑いを内包する教訓的作品をもふくめている。…

【判型】より

…半紙を用い,長辺を二つ折りにした大きさの本(250mm×170mm)を半紙判または半紙本という。また,美濃本より大きい形の本を大本(おおほん)といい,美濃本の半分の大きさの本を中本(ちゆうほん),半紙本の半分以下の大きさの本を小本(こほん)という。ほかに,枡(ます)のように正方形または正方形に近い形の枡形本がある。…

【美濃本】より

…美濃本と並んで多いのは〈半紙本〉であるが,これは大奉書紙(縦1尺3寸,横1尺7寸5分(394mm×530mm))を半截した半紙二つ折りの大きさで,美濃本よりひとまわり小さい。また,美濃本よりも大きい本は大本(おおほん)といい,美濃本の半分は中本(ちゆうほん),半紙本の半分およびそれ以下を小本(こほん)という。枡型本(ますがたぼん)豆本【竹上 深】。…

※「中本」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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