美物(読み)びぶつ

精選版 日本国語大辞典 「美物」の意味・読み・例文・類語

び‐ぶつ【美物】

  1. 〘 名詞 〙 鳥・魚などの味のよいもの。ごちそう。びもつ。
    1. [初出の実例]「此は極たる美物也」(出典:今昔物語集(1120頃か)四)
    2. [その他の文献]〔礼記‐祭統〕

び‐もつ【美物】

  1. 〘 名詞 〙びぶつ(美物)

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普及版 字通 「美物」の読み・字形・画数・意味

【美物】びぶつ

佳品

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世界大百科事典(旧版)内の美物の言及

【鳥料理】より

…鶏は時刻を告げるものとしてたいせつにされ,日本人の肉食に重大な影響を与えた675年(天武4)4月の天武天皇の詔にも,牛,馬,犬,猿とともに鶏の食用が禁じられている。その後,獣肉食忌避が拡大する中で,美味な食物の意味で魚鳥は〈美物(びぶつ)〉と呼ばれ,さらに食味のうえで魚より濃密な味わいをもつ鳥は,美物中の美物として認識された。室町時代には〈美物の上下〉ということばがあり,魚鳥それぞれに尊卑の格とでもいった位づけがなされ,鳥ではキジが最も高貴なものとされ,とくに鷹狩でとったキジは〈鷹の鳥〉と呼んで最高のごちそうとされた。…

【肉食】より

…一般市民などの純然たる消費者と,武士をも含めた狩猟者では肉食に対する意識は大きく相違していたようである。清少納言は動物タンパク質のない食事を〈精進(そうじ)物のいとあしき〉といっているが,獣肉食を拒否すればこのことばはそのまま魚鳥こそが〈美物(びぶつ)〉,つまり,美味なものとする意識につながる。そして平安期以降,とくに室町期には鳥料理が美物中の美物とされることが多かった。…

※「美物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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