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 び beauty

翻訳|beauty

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説



beauty

感覚,特に視聴を媒介として得られる喜悦,快楽の根源的体験の一つ。対象にみられる均衡,充実,輝きによって惹起されるが,直接感覚を通さない,いわゆる精神美も考えられ,超越美と呼ばれる。現象形態からみると自然美,芸術美に大別され,20世紀には機械美が加えられた。

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デジタル大辞泉の解説

び【美】

[名・形動]
姿・形・色彩などの美しいこと。また、そのさま。「の極致」「自然の織り成す
「―な感じのするものは大抵希臘(ギリシヤ)から源を発して居るから」〈漱石吾輩は猫である
非常にりっぱで人を感動させること。「有終のを飾る」
哲学で、調和・統一のある対象に対して、利害や関心を離れて純粋に感動するときに感じられる快。また、それを引き起こす対象のもつ性格。「真善」「意識」
味のよいこと。うまいこと。また、そのさま。
「―なる飲食をも悪しき飲食をも」〈今昔・三・二六〉

び【美】[漢字項目]

[音](漢) ミ(呉) [訓]うつくしい
学習漢字]3年
見た目にすばらしい。形がよい。うつくしさ。「美観美醜美術美人美文美貌(びぼう)美麗艶美(えんび)華美審美耽美(たんび)優美
うつくしくする。「美容美顔術
味わってみて見事だ。うまい。「美酒美食美味甘美
りっぱである。ほめるに値する。「美技美談美点美徳済美(せいび)
ほめたたえる。「美称賛美賞美嘆美褒美
「美術」の略。「美校・美大」
[名のり]うま・うまし・きよし・とみ・はし・はる・ふみ・みつ・よ・よし
[難読]美味(うま)い美味(おい)しい美人局(つつもたせ)美濃(みの)美作(みまさか)

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世界大百科事典 第2版の解説

び【美 beauty】

真や善とならび人間のあこがれてやまぬ価値の一つである。字義を漢和辞典にたずねると,美とは羊と大との合字で原義は〈肥えて大きな羊〉をさし,これが〈うまい〉ことから,ひいては〈うるわしい〉〈よい〉〈めでたい〉の意に用いられるとある。英語beautiful(美しい)など西欧語の形容詞をみれば,これも〈よい〉〈りっぱな〉等々の意味と重なりあい,きわめて多義的である。この多義的価値概念に体系的把握の道をひらいたのは近代に成立した美学であった。

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大辞林 第三版の解説

び【美】

( 名 ・形動 ) [文] ナリ 
形・姿・色などがうつくしいこと。きれいなこと。また、そのさま。 「 -を追求する」 「調和の-」 「自然の-」 「顔がんの-なるのみならず/花柳春話 純一郎
りっぱなこと。 「有終の-を飾る」 「性質を試験せしに最も-なり/新聞雑誌 50
〘哲〙
真や善とならぶ最高価値の一つ。美意識によりとらえられた対象のもつ性質。また、美しいものを美しくしている根拠。
美的快の感情をひきおこす対象。
食べ物の味がよいさま。うまいさま。美味。 「味はひ、殊に-なる事たぐひなし/今昔 17

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説



beauty英語
beautフランス語
Schnheitドイツ語

美とは何かを一義的に定義することはむずかしい。ウィットゲンシュタインのいうように「語られえざることについては沈黙しなければならない」のだとしたら、美そのものについては一行も書くことが許されないだろう。われわれは、ただ、「美しいもの」との出会いにおいて、戦慄(せんりつ)し、眩惑(げんわく)され、蠱惑(こわく)されているばかりということになる。こうした美の秘密について、ほかのだれよりも知っているのは詩人たちであろう。美は「恐ろしきものの始め」(リルケ)であり、「巨大な、恐ろしげな純真な怪物」(ボードレール)だという。まことに、それは「言語に絶する何ものか」(ホフマンスタール)なのだ。これを概念によって定義しようとし始めるや否や、われわれは途方もない混乱に巻き込まれることになる。[伊藤勝彦]

古典的美の理念

美を美たらしめる原理はしばしば調和(ハルモニアharmonia、ラテン語)や均整(シンメトリアsymmetria、ラテン語)にあると考えられてきた。プラトンによれば、すべての美的対象は「美」のイデアを分有することによってのみ美しいといえる。美は個物の感覚的性質であるのではなく、すべての美的対象に不変・不動な「かたち」において現れる超感覚的存在であり、均整、つり合い、節度、調和などが美の原理であるとされた。中世のトマス・アクィナスは美を完全性や調和の輝きのなかに求めた。美は、完全性と調和をもった事物が、それに秘められた形相の輝きによって認識されるとき、喜びを引き起こすところのものである。美は神の光であり、美的対象はその光を受けて、完全な、調和的な形において輝き出るのだ、というのである。[伊藤勝彦]

近代における美

ところが、このような古典的美の理念とは反対に、近代においては、しばしば動的、発展的な生命感の発露として、混沌(こんとん)とした全体のなかにおいて美が追求される。たとえば、19世紀のロマン派の人たちは、古代人の調和の理想を打ち壊し、内面的不調和のなかから、感情の充溢(じゅういつ)と自我の熱狂によって新しい芸術美が創造されると考えた。また、美は不変な形相においてあるのではなく、ただ単に現象として現れるもので、宿命的に「はかなさ」Hinflligkeit(ドイツ語)という性質をもっているというようにも説かれた。世紀末の芸術家たちにとっては、美はもはや、永遠の形相として秩序の静けさのなかにあるものではなく、それはむしろ官能の陶酔をもたらす生命の燃焼であり、滅びゆくもののなかに「破局に陶冶(とうや)される美」があるのだという。こうした考え方を徹底していけば、それこそ「美は乱調にあり」ということになりかねない。だが、「はかなさ」の美も一定の秩序感覚の崩壊の瞬間にだけ現象するものであろうから、それ自体、古典的美の理想を前提にしているといえる。「永遠」という観念をもたないものの目には、「滅びゆくものの美しさ」も映じないに違いない。はかなさの美がわれわれに現象することの背後には、古典的秩序を目ざす美の志向を通じて、混沌への回帰の衝動が不可避的に生じるという、生命のダイナミックスが潜んでいると考えることもできよう。[伊藤勝彦]

真・善からの解放

美は古来、「真・善・美」というように並び称され、人間が追求すべき、もっとも重要な価値の一つと考えられてきた。美はとりわけ善と結び付けて考えられる。プラトンでは、美(カロスkalos、ギリシア語)と善(アガトンagathon、ギリシア語)が一つになった状態としてカロカガティア(美にして善なるものkalokagathia、ギリシア語)という理想が語られた。人生にとって役にたつもの、目的にかなったものが善であると同時に美であると考えられた。ところが、近代になると、美はもっぱらわれわれの感性に対応するものと考えられたので、美を善から切り離す傾向が支配的となる。
 カントによれば、美はただ単に感性的認識において与えられるもので、美の快感は存在への無関心性において成り立つ。それは普通の快楽のような傾向性による束縛もなく、尊敬による命令もなく、人にただ気に入るところの満足として、自由な遊びの状態においてみいだされる。その意味で、善や有用性において認められるような合目的性から解放されている。美は道徳法のように普遍的承認を要求しないが、承認を期待する。快楽についての判断はまったく主観的なものだが、美的判断においては、普遍性、客観性が要求される。しかし、その普遍性は、真や善の判断の場合に要求されるような概念に基づいた普遍性ではない。そこで、美は「概念なしに普遍的に満足を与えるもの」として定義される。このように、カントでは美は独自な感性的認識の領域に位置づけられる。[伊藤勝彦]

美の自律性

しかし、美を真や善から切り離し、感性と対応する面だけにおいて追求していくとき、こんどは逆に、美は悪と結び付く傾向に支配され始める。実際、19世紀末のデカダンスの時代や今日の危機の時代において、ボードレールやワイルド、サルトルやジャン・ジュネによって美と悪や背徳との結び付きが追求されたのである。美は真や善との結び付きを断たれたときには、反対に、不条理や悪と結合する。それほどに美の自律性を確立することは困難なのである。[伊藤勝彦]
『プラトン著、藤沢令夫訳『パイドロス』(岩波文庫) ▽カント著、篠田英雄訳『判断力批判』2冊(岩波文庫) ▽今道友信著『美について』(講談社現代新書) ▽斎藤忍随・伊藤勝彦編著『美の哲学』(1973・学文社)』

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世界大百科事典内のの言及

【芸術】より

…なおこの点では歴史的にさらに古く中国(周代)でも士以上の必修科目として六芸(りくげい)(礼・楽・射・御・書・数の技芸)の定められていたことは興味深い。 さて建築をはじめ自由学科に数えられなかった職人的技術の地位を高めたのはルネサンスの巨匠たちであり,その後,諸芸術の躍動につれて18世紀には芸術を統一的にとらえる企ても生じ,やがて美・芸術の原理学たる美学の成立をみるまでになった。この過程で近代の努力が確認したのは〈美的価値の実現〉こそ芸術を他の技術から区別する核心ということであり,この見方は万人の賛同をえて芸術は〈美しい技術〉(ファイン・アーツfine arts,ボーザールbeaux‐arts,シェーネ・キュンステschöne Künste)と呼ばれ,ついに19世紀以降今日では形容詞fineなどを省く名詞だけで芸術を意味するにいたり,この用法を先人は日本にも導入したのであった。…

【美学】より

…美および芸術の原理を問い,これらを体系的に研究する学問で,哲学の一分科に属する。注意すべきは,〈美学〉の語は西欧語Ästhetikなどの訳語として定着した学術語であり,ただちに〈美についての学〉をさす合成語ではないという事実である。…

【美術】より

…〈美術〉という語は東洋古来のものではなく,西洋でいうボーザールbeaux‐arts(フランス語),ファイン・アーツfine arts(英語),ベレ・アルティbelle arti(イタリア語),シェーネ・キュンステschöne Künste(ドイツ語)などの直訳であり,日本では明治初期以降用いられた。美の表現を目的とする芸術を意味し,したがって絵画,彫刻,建築,工芸などのほか,詩歌,音楽,演劇,舞踊などをも含むものとされた。…

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