羽振(読み)はぶり

精選版 日本国語大辞典 「羽振」の意味・読み・例文・類語

は‐ぶり【羽振】

〘名〙
① 鳥などが羽をふること。はばたくこと。はぶき。
夫木(1310頃)一七「夜もすがら沖のすず鴨はぶりしてなぎさの宮にきね鼓うつ〈源仲正〉」
② 羽の様子。羽のかたち。〔運歩色葉(1548)〕
世間で認められ通用する、人の地位勢力人望などの程度。はばがきくことの程度。威勢
談義本・地獄楽日記(1755)三「お陰で私ども迄もはぶりが格別」

は‐ぶ・く【羽振】

〘自カ四〙 (「ふく」は「ふる(振)」の意)
① 鳥や虫などが羽を振る。羽をならす。はばたく。はふる。
万葉(8C後)一九・四一四一「春まけて物悲しきにさ夜更けて羽振(はぶき)鳴く鴫誰が田にか住む」
② 幅をきかす。のさばる。
浄瑠璃・田村麿鈴鹿合戦(1741)一「左衛門をしりめにかけ、はぶき給ふ御心根」

は‐ぶき【羽振】

〘名〙 鳥や虫が羽を強く振ること。はばたき。はたたき。はぶり。
曾丹集(11C初か)「おし鳥のはぶきやたゆきさゆる夜の池の汀に鳴く声のする」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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