羽織芸者(読み)はおりげいしゃ

精選版 日本国語大辞典 「羽織芸者」の意味・読み・例文・類語

はおり‐げいしゃ【羽織芸者】

〘名〙 江戸深川芸者の称。深川芸者が、客席羽織を着て出たところからいう。辰巳芸者。羽織衆。羽織。
洒落本・妓者呼子鳥(1777)四「おらァ羽をりげいしゃにしたいものだ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「羽織芸者」の意味・読み・例文・類語

はおり‐げいしゃ【羽織芸者】

《羽織を着て客席に出たところから》江戸、深川の芸者。辰巳たつみ芸者。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の羽織芸者の言及

【芸者】より

…これが明和(1764‐72)ごろに町芸者となり,料理茶屋,舟宿のほか武家,町方の屋敷に招かれて宴席に興を添え,遊山船行の供に出張するとともに,売春もした。これには弾圧もあったが,江戸末期になると各地で芸者遊びが盛んとなり,辰巳(たつみ)芸者,羽織芸者とも呼ばれた江戸の深川芸者が意気と俠気(きようき)とを認められたのを始め,遊郭に代わる新興歓楽地として活況を呈した。明治以後の東京では深川にかわって柳橋が盛んになり,やがて政・官・財界をあげて,新橋を中心として〈待合政治〉をくり広げたため花柳界は大発展した。…

【羽織】より

…明治以降,直垂(ひたたれ)や裃(かみしも)の廃止によって,男子の和服の礼装は黒無地五つ紋付羽織袴となり現在にいたる。 女子は元禄(1688‐1704)ごろから家着として用いたが,宝暦(1751‐64)ごろ,座敷着として人前に着て出た江戸深川の芸者は羽織芸者として有名になった。明治以降でも女子の紋付羽織は略礼装とし,現在にいたるまで絵羽の着物には組み合わせない。…

※「羽織芸者」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

潮力発電

潮の干満の差の大きい所で、満潮時に蓄えた海水を干潮時に放流し、水力発電と同じ原理でタービンを回す発電方式。潮汐ちょうせき発電。...

潮力発電の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android