翼足類(読み)よくそくるい(その他表記)Pteropoda; sea butterfly

精選版 日本国語大辞典 「翼足類」の意味・読み・例文・類語

よくそく‐るい【翼足類】

  1. 〘 名詞 〙 軟体動物腹足類を構成する動物群の一つ海産で、海面近くを浮游する。足が左右に広がり翼状をなす。体は数センチメートルのものもあり、殻を持つものと持たないものがある。〔英和和英地学字彙(1914)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「翼足類」の意味・わかりやすい解説

翼足類
よくそくるい
Pteropoda; sea butterfly

軟体動物門腹足綱後鰓類のうち,有殻目 Thecosomataと裸殻目 Gymnosomataに属するものの総称で,足が左右に広がって翼状となり,これで海中を浮遊し,プランクトン生活を送るのでその名がある。しかし,最近の研究で,有殻類と裸殻類は系統的に関係が薄いことが明らかにされてきており,別々のグループとして扱うことが多い。有殻類にはカメガイやウキマイマイ類 Spiratellaなどが属す。殻は大きさ 0.15~2cmで薄い半透明である。裸殻類の種類は,ハダカカメガイ (クリオネ) のように殻を失っている。いずれのグループの種類も群れをなして浮遊し,魚類などの重要な餌となる。また寒流暖流で種を異にし,水塊区分の示標とされる。

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世界大百科事典(旧版)内の翼足類の言及

【カメガイ(亀貝)】より

…カメガイ科Cavolinidaeに属する浮遊性貝類の総称,またはそのうちの1種を指す。巻貝類であるが殻は巻かず,薄い殻がカメの甲のような形をし,生きているときは左右に翼のような平たく大きい側足を出して泳ぐので,そのようすからカメガイ,または翼足類の名がある。また,英名ではsea butterflyと呼ばれる。…

※「翼足類」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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