改訂新版 世界大百科事典 「考槃余事」の意味・わかりやすい解説 考槃余事 (こうばんよじ)Kǎo pán yú shì 中国,明の鑑識家,屠隆(とりゆう)(1542-1605)の著とされるが,内容の大半は,高濂の《遵生八牋》により,曹昭の《格古要論》などからも多く採られていて,出版者が彼の名を偽託したものといわれている。初版は4巻であったが,のち17巻に改編され,書・帖・画より筆墨などの文房具,器服・遊具から香・茶・金魚におよぶ,文人の趣味生活に必要な事物についての要領のよい解説書である。考槃とは《詩経》衛風の篇名で,世を避けて自分の楽しみにふける意。神谷謙の校定した,1803年(享和3)の和刻本がある。執筆者:福本 雅一 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by