聖伝(読み)せいでん(その他表記)traditio

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「聖伝」の意味・わかりやすい解説

聖伝
せいでん
traditio

キリスト教神学の限定された用法では,神が人類を救うために啓示した真理と手段のうち,聖書に含まれていないものをいう。しかし,具体的に何がこの意味での聖伝であるかを決定するのは困難で,カトリック教会では,その教皇不謬性説に基づいて,教皇権によって決定されたものが聖伝であるとの立場をとる。「聖書のみ」の原理に立つプロテスタント諸教会では,このような聖伝は認められず,これがカトリックとの論争の一つとなってきたが,特に第2バチカン公会議後,両者の側からの歩み寄りの努力がみられる。なお広義では聖書を含め,キリスト教がイスラエルの伝統を批判的に継承しつつ新しく形成している伝統をさす。

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