聖伝(読み)せいでん(その他表記)traditio

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「聖伝」の意味・わかりやすい解説

聖伝
せいでん
traditio

キリスト教神学の限定された用法では,神が人類を救うために啓示した真理手段のうち,聖書に含まれていないものをいう。しかし,具体的に何がこの意味での聖伝であるかを決定するのは困難で,カトリック教会では,その教皇不謬性説に基づいて,教皇権によって決定されたものが聖伝であるとの立場をとる。「聖書のみ」の原理に立つプロテスタント諸教会では,このような聖伝は認められず,これがカトリックとの論争の一つとなってきたが,特に第2バチカン公会議後,両者の側からの歩み寄りの努力がみられる。なお広義では聖書を含め,キリスト教イスラエルの伝統を批判的に継承しつつ新しく形成している伝統をさす。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む