職業訓練法(読み)しょくぎょうくんれんほう

百科事典マイペディア 「職業訓練法」の意味・わかりやすい解説

職業訓練法【しょくぎょうくんれんほう】

労働者に対する職業訓練および技能検定制度確立を図るため,職業訓練体系の整備等の措置を定めた法律(1969年)。旧職業訓練法(1958年)を全面改正し,最近における技能労働力の需給動向および技術革新の進展状況に即応するようにしたもの。職業訓練の種類を区分し,職種別に等級区分をした技能検定を行い,この検定に合格したものは技能士と称することができる。1985年に大幅改正され〈職業能力開発促進法〉と改称。職業生活の全期間にわたる職業能力の段階的・体系的な開発・促進を基本理念とし,事業主,国・都道府県にそのための責務を負わせている。
→関連項目雇用対策法職業教育職業訓練

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の職業訓練法の言及

【技能検定】より

…職業に関する公的資格の賦与を目的とする資格試験とは区別される。日本の技能検定には,民間団体によるものと職業能力開発促進法(職業訓練法を1985年改正)に基づくものとがある。一般に民間の技能検定には実施主体,検定の種類や内容,認定結果の表示等に法的規制がないので,なかには社会的に通用しがたいものもある。…

【職業訓練】より

…産業発展にとっては,そのために必要な技能・熟練・職業的知識を有する労働者が随時提供される条件が満たされていなければならない。人間の職業的能力の形成・向上は,学科教育を授ける学校教育,主として実技を授ける職業訓練,仕事をしながら習熟する職場訓練などによって達成される。通例,学校や職業訓練施設で行われる教育訓練をoff‐JT(off the job training),職場訓練をOJT(on the job training)と呼び区別している。…

【職業訓練校】より

… 日本では,第2次大戦までは,習熟した技能を要する労働者は,熟練した職人のもとで3~5年の経験を積む方式,あるいは大企業や官営工場の教育施設で養成されてきたが,熟練工不足が顕在化した第2次大戦中から,国,都道府県が設置する職業補導所による養成が始まった。1958年に職業訓練法が制定され,技能教育を行う各種の教育訓練が〈職業訓練〉の名のもとに体系的に整備された。同法に準拠する訓練施設を当初は〈職業訓練所〉と称したが,69年の同法改正により〈職業訓練校〉と改称した。…

【労働法】より

…1949公布,1996廃止)など,比較的後見的補助的な政策から,しだいに企業に対し身体障害者等条件の不利な人を一定の割合で雇用することを求め,奨励金を支給し(1960年の〈身体障害者雇用促進法〉(1987年〈障害者雇用促進法〉と改称),71年の〈中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法〉(1986年〈高年齢者等の雇用の安定に関する法律〉と改称),72年の〈勤労婦人福祉法〉(1985年雇用機会均等法に改称)),総合的な雇用に関する需給の調節を通じて完全雇用を目ざし(雇用対策法。1966公布),公的職業訓練を実施するとともに企業内訓練の規格化と奨励を図り(1958年公布の職業訓練法の1969年改正法。1985年職業能力開発促進法に改称),さらに失業の防止と雇用の維持拡大のため企業に対し各種の助成援助措置を行う(雇用保険法。…

※「職業訓練法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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