肥後ずいき(読み)ひごずいき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「肥後ずいき」の意味・わかりやすい解説

肥後ずいき
ひごずいき

サトイモ早生(わせ)種で蓮芋(はすいも)とよばれるものの葉柄を干したもの。芋茎(ずいき)はいもがらともいう。肥後国(熊本県)産のものが古くから著名でこの名があり、藩主細川家より代々徳川将軍家に献上されたといわれ、保存食とするほか、柔軟で強靭(きょうじん)なところから手芸材料や女性の髪飾りなどにも用いられた。また、えぐ味を抜いて張り形・張り子あるいは陰茎に巻き、淫具(いんぐ)として用いられたことも広く知られている。

[佐藤農人]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の肥後ずいきの言及

【ずいき(芋茎)】より

…乾燥品は芋柄(いもがら)と呼ぶことが多く,水でもどしてから調理する。なお,江戸時代から肥後特産の淫具として知られる〈肥後ずいき〉は蓮芋の葉柄を細く切って干したものである。【鈴木 晋一】。…

※「肥後ずいき」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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