内科学 第10版 「胆道寄生虫症」の解説
胆道寄生虫症(肝・胆道の疾患)
蠕虫,原虫のうち,胆道(胆囊,胆管)に病害を及ぼす寄生虫によって引き起こされる感染症を指す.
分類
胆道系障害を惹起する蠕虫としては回虫,肝吸虫,肝蛭,原虫としてはクリプトスポリジウム,ジアルジア(ランブル鞭毛虫)があげられる.
原因・病因
回虫や条虫は胆道系への迷入により大型胆管の閉塞に伴う症状を呈する.たとえば肝吸虫,肝蛭,クリプトスポリジウムは胆道系に寄生感染して小型~中型胆管を主座とする胆汁うっ滞性肝障害を惹起する.[河上 洋]
■文献
生田修三,水口泰宏,他:駆虫剤の経皮経肝的胆囊内注入が有用であった胆囊内回虫迷入症の1例.日消誌,107: 768-774,2010.
大前比呂思,千種雄一:肝外胆道寄生虫症.別冊日本臨牀 肝胆道系症候群(Ⅲ 肝外胆道編),第2版(井廻道夫,他編集),pp489-496,日本臨牀社,東京,2011.所 正治:寄生虫性肝胆系疾患.肝胆膵,57: 565-570,2008.
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報