背中合(読み)せなかあわせ

精選版 日本国語大辞典 「背中合」の意味・読み・例文・類語

せなか‐あわせ‥あはせ【背中合】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 二人の人が互いに背と背を合わせて、反対の方向を向いていること。
    1. [初出の実例]「のけざまに人におはれしわれなれやせなかあはせに人のなるらん」(出典:伊勢集(11C後))
    2. 「千箇寺詣(せんかじまゐり)と枕隣り、立坊(たちんばう)と背中合(セナカアハ)せの悒(いぶせ)き間に挿(はさ)まれて」(出典恋慕ながし(1898)〈小栗風葉〉一四)
  3. 家などが反対向きに接し合ってたっていること。隣りあったものが互いに背をむけ合っている状態。
    1. [初出の実例]「おなじすわまがたなれども、或はひきのべたるがごとし、或はゆがめるがごとし、或はせなかあはせにうちちがへたるがごとし」(出典:作庭記(1040頃か))
    2. 「家が丁度背中合せになってゐて」(出典:学生時代(1918)〈久米正雄〉復讐)
  4. 裏側に接していること。また、物事が裏表(うらおもて)の関係にあること。
    1. [初出の実例]「是れ正に煩悩と菩提の裏表にして〈略〉解脱(さと)って見れば背会(セナカアハ)せ」(出典:人情本・恩愛二葉草(1834)二)
  5. 仲の悪いこと。不和。
    1. [初出の実例]「家老とは背中合のうつくしさ」(出典:雑俳・柳多留拾遺(1801)巻二)
    2. 「夫婦は何処迄行っても背中合(セナカアハ)せの儘で暮した」(出典:道草(1915)〈夏目漱石五五)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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