胎児と新生児(読み)たいじとしんせいじ

家庭医学館 「胎児と新生児」の解説

たいじとしんせいじ【胎児と新生児】

 出生日を日齢0とし、日齢28未満の赤ちゃんを新生児といいます。
 胎児子宮の外に出てからみせるもっとも劇的な変化は、呼吸を開始し、それを維持することです。胎内ではへその緒(お)を介して母親から酸素と栄養を供給され、老廃物を処理していましたが、へその緒が断たれた瞬間から、新生児はそれらを自分でまかないます。
 へその緒が結紮(けっさつ)・切断され、産声(うぶごえ)があがった瞬間、新生児の肺に大量の血液が流れ始め、胎児期に重要な役割をはたしていた動脈管が閉鎖するなど、その循環動態(じゅんかんどうたい)は激変します。また、自分の肝臓で血液の老廃物を処理し始めるため、生後しばらくは黄疸おうだん)が出ます。
 胎児が分娩(ぶんべん)という物理的に大きなハードルを乗り越え、さらに生理的な激変を経ることが、分娩損傷や呼吸障害など新生児特有の疾患の原因となるのです。

出典 小学館家庭医学館について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android