精選版 日本国語大辞典 「脇差し」の意味・読み・例文・類語
わき‐ざし【脇差・脇指】
- 〘 名詞 〙
- ① ほうびとして賜わる巻絹。賜わると腰にさして退出するところからいう。こしざし。
- [初出の実例]「仲媒にわきざしら、うちして請はしめむ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)藤原の君)
- ② 腰の脇に差す小刀。守刀。
- [初出の実例]「御正印様え腋指鈴瓶令レ進二覧之一候」(出典:伊達家文書‐(年未詳)(江戸)四月一日・下飯坂宗冬書状)
- ③ 腰に差す大小両刀のうち、小刀の称。
- [初出の実例]「淵辺其の刀を投捨脇差(ワキザシ)の刀を抜て」(出典:太平記(14C後)一三)
- ④ 近世、庶民が道中などの時に腰に帯びた刀。武士の大刀と小刀の中間の長さの刀。道中差し。
- [初出の実例]「船頭脇ざしの刀ぬきて、一人をきずつけしより」(出典:随筆・折たく柴の記(1716頃)中)