脳動脈硬化性精神障害(読み)のうどうみゃくこうかせいせいしんしょうがい(その他表記)cerebral-arteriosclerotic psychosis

改訂新版 世界大百科事典 「脳動脈硬化性精神障害」の意味・わかりやすい解説

脳動脈硬化性精神障害 (のうどうみゃくこうかせいせいしんしょうがい)
cerebral-arteriosclerotic psychosis

脳動脈の硬化によって生じる脳循環障害の結果起こる病気。近年病名として使用されることは少ない。急性または亜急性に脳血流に変化が起こり,高血圧性脳症や一過性虚血発作などで始まり,出血や梗塞(こうそく)を起こし,多発梗塞性の認知症痴呆(ちほう))となることが多い。初期の症状は,不眠頭痛,もの忘れ,めまいなどで,やがて精神作業能力低下から認知症に至る。情動失禁(感情変化のめまぐるしさ)や斑性認知症(まだら認知症のことで,精神機能低下が不均等なこと)が特徴とされる。ときに抑うつ,妄想が加わり,痙攣けいれん)も起こる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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