脳室腹腔吻合術(読み)のうしつふくくうふんごうじゅつ(英語表記)ventriculo-peritoneal shunt

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「脳室腹腔吻合術」の意味・わかりやすい解説

脳室腹腔吻合術
のうしつふくくうふんごうじゅつ
ventriculo-peritoneal shunt

脳室腹腔シャントともいう。脳脊髄液には一定の流れがあるが,この流通路が閉塞したり,吸収機転が阻害されたりすると,液がたまって脳室が拡大し,脳を圧迫する。このような障害に対して,人工的な管を通して脳室と腹腔内とをつないで,液の出口をつくる方法をいう。手技は簡単で,手術による直接の危険は少いが,術後に管が閉塞しやすく,液の流れを調節しにくいといった欠点がある。同様の目的で脳脊髄液を脳室から心房に導く方法もあり,これは脳室心房吻合術と呼ばれる。この方法では術後に菌血症敗血症が起ることがあり,最近では脳室腹腔吻合術のほうがよく行われている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android