大学事典 「自己点検・評価」の解説
自己点検・評価
じこてんけん・ひょうか
大学が教育研究等を自ら点検および評価する活動を指す。すべての大学は文部科学省が定める大学設置基準に従って設立・運営される。設置基準は大学の組織,教員資格,学生定員,教育課程,卒業要件,施設整備等の最低基準を定める。政府は1991年に設置基準の一部改正を行い,教育課程編成基準を大綱化し弾力化した。これにより,各大学が独自の教育課程を編成する裁量の余地が拡大された。これを機に一般教育課程等を見直す大学が増えた。一方で大学側には,自らの教育および研究活動の現状と改善に向けた課題を自己点検・自己評価することが求められるようになり,1999年にその結果の公表が義務づけられた。2004年に大学認証評価制度が導入されて以降は,すべての大学が第三者による評価を定期的に受けるようになった。現在は,大学自らの自己点検・評価と第三者が行う評価とを組み合わせて,教育研究等の質の維持向上をより確実なものとすることが目指されている。
著者: 斉藤泰雄
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報