自度(読み)ジド

デジタル大辞泉 「自度」の意味・読み・例文・類語

じ‐ど【自度】

仏語。利他の願を起こさないで、ただ自利の悟りのために修行すること。声聞しょうもん縁覚えんがく二乗の智慧
私度しど」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「自度」の意味・読み・例文・類語

じ‐ど【自度】

  1. 〘 名詞 〙 仏語。
  2. 利他の願を起こさないで、ただ自利の悟りのために修行すること。自調・自浄・自度の三自の一つで、戒・定・慧の三学に配すれば、慧学に当たり、声聞・縁覚二乗の智慧。
    1. [初出の実例]「若得五神道時、必不自度。不正位。不一切」(出典願文(785))
    2. [その他の文献]〔大智度論‐六一〕
  3. しど(私度)
    1. [初出の実例]「牟婁(むろ)沙彌(さみ)は、榎本の氏なり。自度にして名無し」(出典:日本霊異記(810‐824)下)

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世界大百科事典(旧版)内の自度の言及

【私度僧】より

…律令時代の記録にしばしばあらわれる私度僧の摘発は,過酷な税制から逃れようとする人民の抵抗を物語る。《日本霊異記》に登場する〈自度の沙弥(しやみ)〉という場合の自度は,師主に就かないでみずから剃髪・出家したものを指し,私度僧とは少し概念を異にする。【中井 真孝】。…

※「自度」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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