沙彌(読み)しゃみ

精選版 日本国語大辞典 「沙彌」の意味・読み・例文・類語

しゃみ【沙彌】

  1. 〘 名詞 〙 ( [梵語] śrāmaṇera の音訳。俗情をやすめて慈悲の心を起こす意で息慈と訳し、正式の比丘になろうと努める者の意で勤策男と訳す ) 仏語。
  2. 仏門にはいり、剃髪(ていはつ)して十戒を受けた男子。仏法に未熟な僧。年齢により駆烏沙彌(七~一三歳)、応法沙彌(一四~一九歳)、名字沙彌(二〇歳以上)の三種に分ける。
    1. [初出の実例]「僧沙彌及潜女等食料稲漆仟伍佰玖拾陸束」(出典:正倉院文書‐天平六年(734)尾張国正税帳)
  3. 日本では特に、剃髪していても妻子のある、在家の生活を行なう者をいう。
    1. [初出の実例]「国俗剃髪不梵儀妻子者、在家称沙彌」(出典:元亨釈書(1322)一七)

沙彌の語誌

( 1 )これに類似した語の「沙門」は、桑門ともいい、出家者の総称で、比丘、僧と同義に用いられる。沙門は漢語訳において勤労、功労、静志、息止などとされ、沙彌は勤策、功労、息慈、労之少者などとされており、両語が原語において近い関係にあることが伺われる。
( 2 )梵語 śramaṇa (沙門)は努力する等の意の動詞 śram から派生した名詞で、努力する人、即ち修行者一般を指す。śrāmaṇera (沙彌)はそれから更に派生した語で、沙門の子の意で、仏弟子最初段階の者を指す。


さみ【沙彌】

  1. 〘 名詞 〙しゃみ(沙彌)

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