自発協同学習(読み)じはつきょうどうがくしゅう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「自発協同学習」の意味・わかりやすい解説

自発協同学習
じはつきょうどうがくしゅう

自発学習、協同学習とよばれるものを有機的に結合させ、両者原理を学校教育の場に生かそうとする学習形態。日本で、新教育が退潮した1960年(昭和35)前後から提唱されてきているもので、自発性、協同性という経験主義教育の優れた原理を、系統主義の教育課程のもとで生かそうとする。与えられた教育課程の枠のなかで、子供が自らの力で問題をもち、必要な資料や情報を収集あるいは分析し、問題解決に取り組んでいく。こうした自発的な学習を、学級という集団のなかで各自のもつ欲求や能力に応じて分担し、相互に援助し励まし合いながら行っていく。学級の社会性に注目し、子供の学力の向上を図ると同時に、好ましい人間関係をつくりあげていくことを意図している。子供の自発性を尊重しながら学習の目標をどう達成させるか、学習者の個を集団に埋没させることなく、集団をどう高めていくかに指導上の課題がある。

[森分孝治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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