自発的取引・補整的取引(読み)じはつてきとりひき・ほせいてきとりひき(その他表記)autonomous transactions and compensatory transactions

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「自発的取引・補整的取引」の意味・わかりやすい解説

自発的取引・補整的取引
じはつてきとりひき・ほせいてきとりひき
autonomous transactions and compensatory transactions

国際収支表に計上される取引の区別であって,自発的取引とは文字どおり他の国際取引とは独立して行われる取引をいい,補整的取引とは自発的取引に誘発されて起る取引をいう。財を輸出し,その代金外国為替手形という有価証券で受取った場合を例にとれば,前者は自発的取引であるが,後者資本取引は財の輸出の結果として引起されたもので,明らかに補整的取引である。複式簿記の方法で作成される国際収支表では,前者は受取側へ,後者は資本流出なので支払側へそれぞれ同額が記録される。このように記録していけば国際収支表の受取額の合計と支払額の合計は常に等しくなるはずで,換言すれば補整的取引の記録が受取側と支払側をバランスさせる役目を果している。

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