自衛隊海外派遣(読み)じえいたいかいがいはけん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「自衛隊海外派遣」の意味・わかりやすい解説

自衛隊海外派遣
じえいたいかいがいはけん

武力行使を目的としないことを前提に,国際協力の推進,平和への貢献の視点から,国際緊急援助隊,国連停戦監視団や在外邦人救出のため自衛隊を海外に派遣すること。 1954年6月,参議院自衛隊の海外出動を禁止する決議がなされ,それ以降,自衛隊の海外派兵は一切認められてこなかった。一般に海外派兵とは,武力行使を目的として武装した部隊を他国の領土領海領空に派遣することを意味し,こうした海外派兵は自衛のための必要最低限度を超えるものであり,憲法上許されないとされている。また現行の自衛隊法は,国連警察軍への参加も,自衛隊にそのような任務が与えられていないため,これまで認められてこなかった。しかし 92年6月に成立した PKO協力法により,制限つきながら自衛隊の海外派遣が可能となった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

USスチール買収問題

日本製鉄は2023年12月、約141億ドル(約2兆2千億円)で米鉄鋼大手USスチールを完全子会社化する計画を発表した。国内の鉄鋼市場が先細る中、先進国最大の米国市場で、高級鋼材需要を取り込み、競争力...

USスチール買収問題の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android