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参議院 さんぎいんHouse of Councillors

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

参議院
さんぎいん
House of Councillors

日本の国会を構成する議院両院制における上院にあたる。第2次世界大戦後,貴族院に代わって設置された。議員定数は 2000年の公職選挙法改正により 242人(改正前 252人)。任期は 6年で 3年ごとに半数が改選される。改選議席 121のうち,73が都道府県を単位とした選挙区から,48が全国を 1選挙区とする比例代表で選出される(→比例代表制)。解散はなく,衆議院解散中の緊急集会の規定以外,参議院独自の機能はみられない。参議院は設置当初,「良識の府」と呼ばれ,緑風会の結成など政党化を排する姿勢を明確にした。しかし 1955年以降政党化が進行し,ときには「衆議院カーボンコピー」と批判されるなど,独自性の確保が問題となった。一方で改革には積極的で,議長の党籍離脱や強行採決の排除,国会テレビ中継の導入などは参議院から始められた。また議員の任期の長さをいかし,長期的な問題を議論する調査会などの独自機関の設置にも積極的に取り組んでいる。(→参議院議員通常選挙

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知恵蔵の解説

参議院

二院制を採用する日本で衆議院と共に国会を構成する議院。議員の任期は6年で、3年ごとに半数を改選する。任期途中での解散はない。議員定数は公職選挙法によって定められており、2013年8月現在、都道府県を単位とする選挙区選出146人、全国を単位とする比例代表選出96人の計242人。
日本国憲法では、予算の議決、条約の承認内閣総理大臣の指名などで、任期が短く民意を反映しやすいとされる衆議院の優越を認めているものの、それ以外は両議院にほぼ対等な権限を与えている。法案は両議院で可決した時に法律となるが、衆議院が可決して参議院が否決した場合、法律を成立させるには衆議院が3分の2以上の多数で再び可決しなければならない。このような多数派確保や再議決の頻繁な行使は難しく、二院制を採る他の国に比べ、実質的な拒否権を持つ参議院の権限は強い。
参議院の役割やあり方に対しては、古くから批判が多く、改革論議が繰り返されてきた。参議院の役割は、衆議院とは異なる角度から審議することで、衆議院の多数派による暴走を防ぎ、多様な意見を国政に反映させる役割を持つとされる。しかし、実際には衆院の議決を追認する「カーボンコピー」であると批判され、衆議院と参議院で多数派が異なる「ねじれ」が生じると「決められない政治」の元凶と見なされた。現行の選挙制度による「一票の格差」や「衆議院化」も問題視され、選挙のたびに参議院不要論が取りざたされている。13年7月の参院選では、前年12月に政権与党に返り咲いた自民党公明党が大勝し、衆参ねじれは解消されたが、参議院改革は避けられそうにない。

(原田英美  ライター / 2013年)

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

参議院

任期は6年で解散はない。定数242(選挙区146、比例代表96)で3年ごとに半数を改選する。初期は無所属議員が多く、衆院をチェックし「良識の府」と呼ばれた。首相指名や予算の議決は衆院が優越するが、法律案は参院が否決すれば衆院の出席議員の3分の2以上の賛成がなければ再可決できず、参院のチェック機能を担保していた。しかし政党化が進むにつれて、「衆院のカーボンコピー」と批判されるようになった。05年に衆院の3分の2以上を与党が握り、07年参院選で野党が過半数を占めると、衆院での再可決が繰り返され、参院不要論を加速させた。

(2010-07-08 朝日新聞 朝刊 神戸 1地方)

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デジタル大辞泉の解説

さんぎ‐いん〔‐ヰン〕【参議院】

日本国憲法のもとで、衆議院とともに国会を構成する両院の一。権限は衆議院より弱いが、衆議院の行き過ぎを是正し、国会の審議を慎重なものとする役割をもつ。解散はなく、衆議院の解散中に緊急の必要があるときは、単独で国会の権能を行使する。参院。→衆議院通常選挙
[補説]衆議院で可決した法案を再度審議する立場のため「再考の府」「熟慮の府」、また、良識に基づいて中立公正を守る立場にあるので「良識の府」とも呼ばれる

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百科事典マイペディアの解説

参議院【さんぎいん】

衆議院とともに国会を構成する議院の一つ。定員242名(比例代表区選出議員96名,選挙区選出議員146名)で被選挙権者は30歳以上,任期6年で3年ごとに半数改選。
→関連項目国会国会議員国会議事堂立川談志中央選挙管理会通常選挙二院制日本予算先議権緑風会

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世界大百科事典 第2版の解説

さんぎいん【参議院】

衆議院とともに国会を構成する議院(日本国憲法42条)。憲法制定過程において,総司令部は,当初,一院制の構想を提示した(1946年2月13日のいわゆるマッカーサー草案)が,日本側の強い要望もあり,両議院ともに〈民選〉議員で構成するとの条件の下に両院制の採用が認められた結果,参議院が置かれることになった。なお,その名称については,当時,〈第一院〉〈上院〉〈公議院〉〈特議院〉〈審議院〉といった案も検討されたが,結局,〈参議院〉という名称に落ち着いた。

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大辞林 第三版の解説

さんぎいん【参議院】

日本国憲法下、衆議院とともに国会を構成する一院。上院または第二院に相当する。解散はなく、衆議院の解散中に緊急の必要が生じた場合、単独で議決を行う。参院。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

参議院
さんぎいん

衆議院とともに国会を構成する一院で、二院制議会における上院にあたる。上院は一般に、下院と同様に民選議員によって構成されるが、間接選挙あるいは選挙区・被選挙権などを下院と異にする選挙方法により選出される。下院の行きすぎを抑制するために設けられ、世界各国にその例は多い。
 日本では、第二次世界大戦後に設けられた。明治憲法(大日本帝国憲法)では、上院として貴族院があり、皇族、華族および勅選議員により構成され、きわめて保守的、反民主主義的な役割を果たしていた。そのため戦後の憲法草案(マッカーサー草案ともよばれる)では衆議院だけの一院制をとることになっていた。これに対し日本側は、国会での審議の慎重を期するため二院制(両院制)にするよう要請し、1947年(昭和22)参議院が設けられた。その権限については衆議院より弱いもの(衆議院の優越)とされ、いわゆる跛行的両院制(はこうてきりょういんせい)がとられた。[池田政章]

参議院の構成と特質

参議院は全国民を代表する公選議員によって構成され、定数242人のうち、96人を比例代表選出議員、146人を選挙区選出議員とし、任期は6年で、3年ごとに半数が改選される。比例代表選出議員については、1982年の公職選挙法改正前までは全国区選出議員といい、全国1選挙区から100人を選出したが、1983年の通常選挙から拘束名簿式比例代表制にかわり、政党に投票することになった。さらに、2001年(平成13)からは非拘束名簿式に改められた。従来の全国区制の下では、1人でも立候補することができ「少数者の城」ともいわれたが、比例代表制はあくまで政党中心の制度であるため、真の少数者の代表がたつ可能性はきわめて薄くなったといわれている。選挙区選出議員は都道府県が選挙区で、その定数は2人ないし6人であるが、半数改選であるから選挙での選出はその半分である。
 憲法が参議院に期待するところは、衆議院の「数の政治」に対し、その軽率や行きすぎを是正し、「理の政治」を行うことにあり、国民に基礎を置きながら政党の争いの外にたち、中立公正な知識を結集することであった。当初、議員は政党に属さず、是々非々主義をとる緑風会に属する者が多数いたが、しだいに政党化の方向をたどり、1965年(昭和40)の通常選挙で緑風会は消滅した。こうして政党化された結果その代表的機能が衆議院と変わらないようになったため、その存在理由について種々議論されてきたが、さらに比例代表制の採用により、この傾向がいっそう強まったことが指摘され、批判されている。「衆議院のカーボン・コピー」という評言はその最たるものであるが、参議院もそれに抗して、これまでさまざまな改革論を主張している。[池田政章]

比例代表による選出方法

選出方法は次のとおりである。5人以上の所属国会議員を有し、直近の総選挙もしくは通常選挙で全有効投票の100分の2以上の投票を得、当該参議院議員選挙で10人以上の候補者を有すること、のうち、いずれかに該当する政党もしくは政治団体が、所属する者の氏名を記載した「参議院名簿」を届け出ておく(公職選挙法86条の3)。名簿登載者の選定と順番は、当該政党などが決める。投票は政党名もしくは個人名を自書して行い、各政党等の得票数に基づいて、ドント式配分(各政党の得票数を1、2、3、4という整数で順に割り、商の大きい政党から順次議席を配分する方式で、ドントは考案者であるベルギー人の名)により各政党等の当選人数を決定し、個人得票数の多い順に、当選人を決定する(同法95条の3)。この方式は非拘束名簿式といわれる。[池田政章]

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世界大百科事典内の参議院の言及

【国会】より

…法律案は内閣も提出できると解するのが支配的学説であり,慣行もそうなっており,ほとんどの法律が内閣から提出された法案をもととしている。
[構成と活動]
 国会は衆議院と参議院から成り(二院制),いずれも国民の直接選挙による議員から構成される(衆議院比例代表選出区(1994年の公職選挙法改正により導入),および参議院比例代表区(1982年の公職選挙法改正で導入)は,それぞれに議員候補者名簿を作成する政党,政治団体が投票の対象となっている)。前記の1994年公職選挙法の改正により,衆議院議員の定数は500人で,うち小選挙区(1区1人選出)選出が300人,比例代表区選出が200人となっている。…

【上院】より

…その正式な名称は,国によって異なる。たとえば,アメリカ合衆国では元老院Senate,イギリスでは貴族院House of Lords,ドイツでは連邦参議院Bundesrat,旧ソ連では民族ソビエト(民族会議)Sovet Natsional’nostei(ソ連崩壊後のロシア連邦では連邦会議),日本では明治憲法下にあっては貴族院,現在は参議院である。その構成や機能も多様であるが,大別すれば,(1)世襲貴族や資産階級などの特権的階層を代表し,保守勢力の利益を擁護するもの(イギリス,明治憲法下の日本),(2)連邦国家において,州を代表し州の利益を代弁するもの(アメリカ合衆国,ドイツ,旧ソ連など),(3)職能代表あるいは良識の府としての役割を期待されているもの(アイルランド,旧ユーゴスラビアなど)などに分けられる。…

【立法】より

…発案が議員に認められることはもとよりである(議員立法)が,内閣にも発案権が認められるというのが通説で,かつ慣例であり(憲法72条参照),成立する法律のほとんどが内閣提出法案となっている。そこで審議・議決に国会の立法意思が集中的にあらわれることになるが,国会を構成する衆議院の意思と参議院のそれとの齟齬は,衆議院が優越するように調整される。すなわち,法律案は原則として両議院で可決したとき法律となるが,衆議院で可決し,参議院でこれと異なる議決をした場合は,衆議院が出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したとき法律として成立する(59条2項)。…

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