至聖所(読み)しせいじょ(その他表記)Most holy

改訂新版 世界大百科事典 「至聖所」の意味・わかりやすい解説

至聖所 (しせいじょ)
Most holy

旧約聖書の律法書によれば,イスラエル人の荒野放浪時代の移動聖所としての幕屋(タバナクル)の一番奥の,神が臨在する神聖な部屋で,垂幕で仕切られ,年1回贖罪日に大祭司が入りうるとされた場所。ソロモンが建立したエルサレム神殿の最奥部の至聖所は正方形で,1対のケルビムと〈契約の箱〉が安置された。原始キリスト教団は,イエスの死に際して神殿の至聖所の垂幕が裂けたこと(《マタイによる福音書》27:51)を贖罪死の象徴と理解した。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android