興雲律院(読み)こううんりついん

日本歴史地名大系 「興雲律院」の解説

興雲律院
こううんりついん

[現在地名]日光市萩垣面

山南麓にある。日光山と号し天台宗本尊阿弥陀如来。享保一四年(一七二九)比叡山安楽律あんらくりつ(現滋賀県大津市)の霊空により安楽律(天台律宗)の寺として創建されたとされる。霊空光兼は戒律兼学を唱えて比叡山延暦寺を追われた妙立の弟子で、輪王寺宮公弁法親王の帰依幕府の保護を得て元禄六年(一六九三)安楽律院を再興。享保八年には江戸寛永寺の浄名じようみよう院を律院に改め、同一四年当院を建てた。創建以来歴代の輪王寺宮の保護を受けたという。なお現茨城県西茨城にしいばらき岩瀬いわせ月山がつさん寺所蔵の弥陀経要解扶講記三巻の奥書に、安永五年(一七七六)春の年紀と、「沙門智弁日光山興雲精舎書写畢」とあるので、あるいは享保一四年、それまでにあった天台寺院が律院に改められたとも考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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