般若野(読み)はんにやの

日本歴史地名大系 「般若野」の解説

般若野
はんにやの

現砺波市東部・高岡市南部・庄川町北部の庄川両岸に広がっていたとみられる。庄川は天正一三年(一五八五)以前はいく筋かに分流して西寄りを北西流し、現在の小矢部おやべ川に注いでいたとみられる。分流のうち最も東側を流れていた千保せんぼ川の東側、南は谷内やち川、北はどう川の間が般若野と称された。「源平盛衰記」巻二九(般若野軍事)などによれば、寿永二年(一一八三)五月九日、前越中守平盛俊は般若野に布陣し、木曾義仲方の将今井兼平が率いる六千余騎と戦い、敗れた平家方は小矢部河原まで退き、敗走したという。また「平家物語」長門本には、越中への平家軍進攻の報を聞いて越後国府を出発した義仲は越中に入り、「池原の般若野」に布陣したとある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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