良性家族性血尿(読み)りょうせいかぞくせいけつにょうひはくきていまくびょう(その他表記)Benign Familial Hematuria

家庭医学館 「良性家族性血尿」の解説

りょうせいかぞくせいけつにょうひはくきていまくびょう【良性家族性血尿(菲薄基底膜病) Benign Familial Hematuria】

[どんな病気か]
 糸球体基底膜(しきゅうたいきていまく)の異常による血尿が、家族性、遺伝性にみられる病気です。
 しかし、アルポート症候群(「遺伝性腎炎」)とちがい、その異常は軽く、進行することもなく、おとなになっても腎機能の低下はありません。
 遺伝形式は、多くは常染色体優性遺伝(じょうせんしょくたいゆうせいいでん)ですが、なかには両親が尿異常を示さない家系(常染色体劣性(じょうせんしょくたいれっせい))、あるいは孤発性(遺伝にかかわらず発症する)もあります。
[症状]
 顕微鏡でみられる血尿が小児期よりみられ、学校健診時の検尿で発見されることが多いものです。
 確定診断は、腎生検(じんせいけん)をして腎組織を電子顕微鏡で調べなければわかりません。家系に重い腎臓病がなければ、年に何度か検尿をして、たんぱく尿が出ないことを確かめつつ、経過を観察します。
[治療]
 予後は良好で、とくに治療は必要としません。
 年に数回の検尿などで経過を観察します。たんぱく尿がみられた場合、あるいは家系に重い腎臓病の人がいる場合にかぎり、アルポート症候群との鑑別が必要となりますので、腎生検が行なわれます。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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