色部条(読み)いろべじよう

日本歴史地名大系 「色部条」の解説

色部条
いろべじよう

小泉こいずみ加納かのうの中心で、ほぼ現神林村中央部にあたる。南は牛屋うしや条、西は日本海、東は荒河あらかわ保内女川おんながわ地域(現関川村)、北は小泉庄本庄(現村上市など)に接する広い地域。現在大字牧目まきのめ小色部こいろべの地名が残るが、同所が色部条の中心かどうかは不詳。鎌倉初期に下向した平姓秩父氏から出た色部氏の本拠地。

嘉禄三年(一二二七)「小泉庄加納内色部」などが色部為長から公長へ譲られた(同年四月九日「鎌倉将軍家(藤原頼経)下文」色部氏文書)。だが年月日宛先を欠く前欠の色部為長置文写(「古案記録草案」所収文書)では小泉庄のうち色部・牛屋と粟島あわしま(現粟島浦村)は為長の妻と推定される人物に一期を限り譲られ、その死後色部・粟島は公長に与えるようにと記される。建長七年(一二五五)には前年一一月八日付の為長譲状のとおり「小泉庄加納内色部牛屋除舎弟并孫子等、粟島」等の地頭職が公長に安堵された(同年三月二七日「将軍家(宗尊親王)政所下文」色部氏文書)。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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