器量(読み)キリョウ

デジタル大辞泉 「器量」の意味・読み・例文・類語

き‐りょう〔‐リヤウ〕【器量】

ある事をするのにふさわしい能力や人徳。「指導者としての器量に乏しい」
その人の才徳に対して世間が与える評価面目。多く、男性についていう。「器量を上げる」
顔だち。容貌ようぼう。多く、女性についていう。「器量のよい娘」
もののじょうず。名人
「笛のおん―たるによって」〈平家・四〉
[類語]人間ひと人柄為人ひととなり人物人格度量うつわにん人間性品性品格徳性人品

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「器量」の意味・読み・例文・類語

き‐りょう‥リャウ【器量・気量】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 物事をやりとげるだけの才能、能力。力量。
    1. [初出の実例]「然皇子器量、不与謀大事」(出典:家伝(760頃)上)
    2. [その他の文献]〔呉志‐孫韶伝注〕
  3. ある物事に巧みなこと。また、その人。上手。名人。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
    1. [初出の実例]「笛のおん器量たるによって」(出典:平家物語(13C前)四)
  4. ( 形動 ) 主として女性や若い男の顔かたち。容姿。また、それらのすぐれているさま。ものの姿形についていうこともある。
    1. [初出の実例]「Qiriǒna(キリャウナ) ヒト」(出典:日葡辞書(1603‐04))
    2. 「あつぱれきりやうのよろひかな。いかほどするぞととひければ」(出典:御伽草子・まんじゆのまへ(室町時代物語大成所収)(江戸初)中)
  5. 面目。「器量を上げる」

器量の語誌

の意の表記については、近世後期から白話小説に見られる「嫖致・標致」が使われ、また、「容儀容色」など意味を表わす表記も現われるようになる。

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普及版 字通 「器量」の読み・字形・画数・意味

【器量】きりよう(りやう)

才能と度量。漢・〔郭有道の碑文〕夫(そ)れ其の量は弘深度は廣大にして、焉たり、汪汪焉たり。奧乎(あうこ)として測るべからざるのみ。

字通「器」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の器量の言及

【恩地】より

…こうした恩地は平安時代末から武家社会を中心に広くみられるが,鎌倉幕府はこれについて詳しい規定を定めている。とくに恩地を奉公義務の負担能力(これを器量とか,器用とかいった)のない者に売ったり譲渡したりしてはならないと規定した部分は恩地の性格をよく示している。また有名な永仁の徳政令が御家人から凡下に売られた土地は無償で御家人にもどされると規定したのも,恩地の性格に起因していると言えよう。…

※「器量」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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