艶物(読み)ツヤモノ

デジタル大辞泉 「艶物」の意味・読み・例文・類語

つや‐もの【艶物】

義太夫節で、世話物うち特に男女間の恋愛・情事を主題とした語り物。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「艶物」の意味・わかりやすい解説

艶物 (つやもの)

日本音楽用語。おもに義太夫節の曲の分類上(曲種)の用語。艶っぽい内容の曲,すなわち恋愛場面を指す。したがって美音の太夫が優艶感情をこめて語ることになる。竹本摂津大掾などこうした場面を語るのを得意とする太夫を艶物語り艶語りと称する。また,三味線も優しくきれいな音色で弾くことが要求される。《本朝廿四孝(ほんちようにじゆうしこう)》の〈十種香の段〉などが代表的な曲としてあげられる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android