日本歴史地名大系 「芋井三宝記」の解説
芋井三宝記
いもいさんぽうき
六巻 岩下貞融(通称多門、号管山・桜園)著
成立 天保一一年
分類 寺誌
写本 内閣文庫(六巻三冊)
解説 著者は長野村(現長野市)の人、家は代々善光寺大勧進の役人。もと二四巻の大著、弘化四年(一八四七)善光寺大震災に、麻績臼巻上下二巻、難波硯巻上下二巻、黒田枕巻上下二巻、都合六巻を残し、他を焼失した。麻績臼巻は善光寺如来の縁起・諸堂舎等の歴史の考証、難波硯巻は善光寺に関する文献・古文書・年中恒常行事・雑事、黒田枕巻は大檀越・別当・大勧進・大本願・衆徒・中衆・妻戸等善光寺関係の諸役機構の由来を詳記。殊に難波硯の年中行事(堂童子行事ほか)は善光寺の伝統行事を知る貴重な記録で、諸事の考証は該博で、前人未発の卓見が多い。
活字本 信濃史料叢書第三巻
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報