芸術人類学(読み)げいじゅつじんるいがく(その他表記)anthropology of art

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「芸術人類学」の意味・わかりやすい解説

芸術人類学
げいじゅつじんるいがく
anthropology of art

諸文化の絵画彫刻など美術芸術を研究する人類学の一分野。民族芸術学とも呼ばれる。アメリカの人類学者 F.ボアズは,さまざまな生活様式についての情報集積を重要視し,芸術も人類学的研究対象に含まれるとして,1927年『未開芸術』を出版当初様式を中心に扱って芸術の通文化的研究を行い,歴史的・地理的な芸術の世界地図作成が目指された。その後,S.フロイトらの心理学による芸術へのアプローチ象徴人類学などの研究動向を受けて,芸術を人間のコミュニケーション活動の一つとしてとらえ,イコノグラフィー,美的観念などの比較研究がなされるようになった。さらに芸術の社会的意味,芸術家の社会的役割などへと研究テーマは広がっている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android