新訂 政治家人名事典 明治~昭和 「若尾 逸平」の解説
若尾 逸平
ワカオ イッペイ
- 肩書
- 貴院議員,甲府市長
- 生年月日
- 文政3年12月6日(1820年)
- 出生地
- 甲斐国巨摩郡在家塚村(山梨県)
- 経歴
- 19歳で江戸に出て種々の商売を営んだのち、安政6年横浜開港と共に生糸、綿製品、砂糖などの貿易に従事。また若尾式製糸機を発明し、文久2年甲府に小工場を興した。明治10年紙幣乱発による紙幣価値の下落を利用して生糸の買占めで巨利を博し、大地主となった。22年横浜正金銀行取締役となり、26年山梨貯蓄銀行を創立。一方、東京馬車鉄道、東京電灯などの事業に関与し、次第に甲州財閥の中軸としての若尾財閥を形成していった。32年甲府市長、33年貴院議員をつとめた。しかし地元山梨県下の蚕糸業支配を強引に進めたため、農民の強い反感を買い、地租改正時の農民一揆や米騒動では襲撃の対象となった。
- 受賞
- 緑綬褒章〔明治32年〕
- 没年月日
- 大正2年9月7日
出典 日外アソシエーツ「新訂 政治家人名事典 明治~昭和」(2003年刊)新訂 政治家人名事典 明治~昭和について 情報