苦む(読み)ニガム

デジタル大辞泉 「苦む」の意味・読み・例文・類語

にが・む【苦む】

[動マ四]
にがにがしく思う。にがにがしい顔つきや態度になる。
「いとわびしう心地悪しうなりて、いかに仕まつらむとて―・みて」〈宇津保・楼上下〉
しわがよる。
大豆をいりて…酢をかけつれば、酢むつかりとて、―・みて」〈宇治拾遺・四〉
[動マ下二]にがめる」の文語形

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「苦む」の意味・読み・例文・類語

にが・む【苦】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 マ行四段活用 〙
    1. にがにがしく思う。不快に思ってにがにがしい顔つきや態度になる。興ざめする。にがる。
      1. [初出の実例]「みるにいよいよいとわびしう心ちあしうなりて、『いかにつかまつらん』とてにがみて、とみにも取らねば」(出典:宇津保物語(970‐999頃)楼上下)
    2. しわがよる。
      1. [初出の実例]「あたたかなるとき、すをかけつれば、すむつかりとて、にがみてよくはさまるる也」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)四)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙にがめる(苦)

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